ウェブサイトの中国語翻訳:簡体字、レイアウト、zh-Hans
簡体字と繁体字の使い分け、レイアウトが崩れないUI、zh-HansのURL、hreflang、公開前チェックリストを押さえて、ウェブサイトを中国語に翻訳しましょう。

依頼書に「ウェブサイトを中国語に翻訳」と書かれていたら、まず立ち止まってください。ウェブ上の中国語では、最初に字体を選ぶ必要があります。簡体字(zh-Hans、多くの場合はzh-CNとして提供)か、繁体字(zh-Hant / zh-TW、zh-HK)か、という選択です。1つのロケールで両者を混在させると、画面をひと目見ただけで信頼を損ないます。
この記事では、中国本土向けの製品サイトが通常最初に取り組む簡体字中国語版の公開に焦点を当てます。同時に、後で対応の幅を狭めないよう、繁体字版を別に設ける際の注意点も取り上げます。
ウェブサイトを簡体字中国語に翻訳するには、文字列の置き換え以外に何が必要ですか?
CMSのフィールドや対訳用語集だけでは不十分です。簡体字と繁体字の扱いを明確に定め、実際に使う文字を収録したフォント、単語間のスペースを前提としない省略表示ルール、本文もきちんと中国語になっている簡体字中国語専用のURLを用意する必要があります。
このガイドでわかること
- ウェブサイトを簡体字中国語に翻訳するには、文字列の置き換え以外に何が必要ですか?
- 簡体字中国語のロケールや地域別バリエーションは、どれを選ぶべきですか?
- 簡体字中国語に特有の文字・タイポグラフィ・レイアウトの課題は何ですか?
- 簡体字中国語版サイトのURL、hreflang、インデックス登録はどう設計すべきですか?
- 簡体字中国語では、オンボーディングと購入手続きでどのような配慮が必要ですか?
- 簡体字中国語には、AI翻訳、MTPE、人によるレビューのどれを使うべきですか?
- 簡体字中国語のページで特に悪影響を及ぼすSEOの間違いは何ですか?
- 簡体字中国語版のウェブサイトを公開し、効果を測定するにはどうすればよいですか?
要点:ウェブサイトを簡体字中国語に正しく翻訳する方法
長く運用できる簡体字中国語版を公開するには、次の点が重要です。
- 簡体字と繁体字は、フォントの切り替えではなく、別々のロケールとして扱います。
- 最初の対象読者が中国本土のユーザーなら、
zh-Hans(多くの場合はzh-CN)から始め、繁体字版は別プロジェクトとして計画します。 - 簡体字中国語版は、Cookieだけによる切り替えではなく、クロール可能な専用URLで公開します。
- 主要画面のプロトタイプには実際の中国語テキストを使い、ボタン、カード、ナビゲーションが文字の密度や単語間スペースのない表示に対応できるようにします。
- 英語の主要キーワードを翻訳したり、ピンインだけのページを公開したりするのではなく、簡体字中国語の文字で検索クエリを調査します。
- 規模を拡大する前に、相互参照するhreflang、適切なcanonical、サイトマップを整備します。
CSA Researchが29か国の消費者8,709人を対象に実施した調査では、76%が母語の情報を見て購入することを好み、40%が他言語のウェブサイトでは決して購入しないと回答しました。英語を読める中国語話者がいても、この点は変わりません。英語だけの利用体験では、購入手続き、請求書、サポートの段階で、気づかないうちに購入機会を逃します。Googleの有用なコンテンツに関するガイダンスは、ユーザーを第一に考えたページを重視しています。ナビゲーションだけが中国語で本文が英語のページは、ユーザーにとっても検索にとっても、不十分なローカライズです。市場別と言語別の戦略の違いについては、国際SEOと多言語SEOの違いをご覧ください。
適切な簡体字中国語のロケールを選ぶ
中国本土が最初の販売対象市場であれば、多くのチームはzh-Hansと中国本土向けのzh-CN URLから始めます。初回リリースとしては妥当な選択です。ただし、ロケール名を単に「中国語」とし、後から同じファイルに繁体字の文字列を貼り付けてよいわけではありません。
繁体字中国語(zh-Hant)は、明確に別系統として扱う必要があります。台湾(zh-TW)と香港(zh-HK)では、語彙、UIで使われる比喩表現、ときには好まれる文体も異なります。最初に簡体字だけを翻訳する場合でも、初日から両方のロケールを設計することはできます。メッセージファイルとURLをそれぞれ分けておくのです。簡体字と繁体字を置き換え可能なものとみなして、1つの翻訳メモリを使い回してはいけません。
シンガポールやマレーシアにも簡体字の読者はいますが、そこで販売するなら、製品コピー、通貨、法務関連ページには現地向けの確認や調整が必要な場合があります。価格や契約をまだローカライズしない段階なら、単一のzh-Hansファイルでの初回公開が適切なこともあります。ただし、ネイティブによるレビューなしに、1つの用語集で中国本土、シンガポール、台湾、香港を網羅できると考えてはいけません。
翻訳者がファイルを開く前に、文体を決めてください。改まった書き言葉のUIにするのか、親しみやすい製品の語り口にするのか、という選択です。中国本土向けのB2B、フィンテック、ヘルスケアでは、通常、改まった書き言葉の中国語が必要です。消費者向けアプリでは温かみのあるトーンが適することもありますが、ホームページは教科書のように堅く、購入手続きの短い案内文はくだけていると、未完成な印象を与えます。方針を用語集に記載し、すべてのベンダーとモデルが同じ姿勢で翻訳できるようにしましょう。
氏名、住所、電話番号の扱いも決めておきましょう。欧米式の「名/姓」の順序しか受け付けないフォームや、住所欄に中国語の文字を入力できないフォームでは、文字列が「翻訳済み」に見えても、実際の利用でつまずきます。
簡体字中国語の文字・タイポグラフィ・レイアウトで配慮すべき点
簡体字中国語は漢字を使い、単語の間にスペースを入れません。省略表示、CSSのword-break、行数制限は、英語とは異なる挙動になります。英語で12文字という文字数制限は、そのままでは意味を持ちません。語句の途中で表示を切ると、別の単語に見える断片が残ることがあります。
漢字はラテン文字よりも情報密度が高い文字です。英語に合わせたボタンは、余白が目立つこともあれば、ラベルが4文字の動詞と目的語の組み合わせになるとはみ出すこともあります。文字の欠落は、その場で品質への疑念を招きます。表示できない文字が四角い「豆腐」になると、不自然な一文以上に素早く信頼を損ないます。
公開直後に不具合のスクリーンショットが出回らないためのレイアウトルール:
- ロケールの提供を告知する前に、実際の簡体字中国語のコピーを使って主要画面のプロトタイプを作成します。
- 英語の文字数制限に頼るのではなく、柔軟に伸縮するコンテナを使います。
- ボタンは折り返しや拡張に対応させます。英語のCTAと同じく1行に収めるために、文字を小さくしないでください。
- 実際に使用する文字を網羅した本番用フォントを用意します。UI、メール、PDFのすべてが対象です。
- 改行後も読みやすいかを判断できるレビュアーとともに、改行ルール(
line-break、word-break)を定めます。 - カードのタイトル、バッジ、表の見出しには注意が必要です。文字の密度と行数制限の組み合わせで問題が起きやすい箇所です。
日付や数値の形式も、レイアウトの要件に含まれます。中国本土のユーザーは通常、年・月・日の順序(2026-08-24または2026年8月24日)、本文での全角句読点、対象市場に合った通貨表示(CNYなのか、シンガポールドル建てのストアなのか)を想定しています。中国語のリストをUnicodeのコードポイント順に並べても、実用的な意味での「アルファベット順」にはなりません。ディレクトリやフィルターチップを提供する場合は、ロケール対応を完了とする前に、照合順序を定めてください。
文章のリズムも重要です。英語のCTAは短く、ぶっきらぼうになりがちです。中国語のマーケティングコピーは、お役所的にならずに、もう少し言葉を補えます。一方、支払いやエラーの案内は簡潔で明快に保ちます。レビュアーには、支払いに関する明確さを守りつつ、ホームページには英語の翻訳調ではなく自然な中国語にするための余地を持たせるよう、方針を共有してください。
改まった書き言葉のUIは、日常会話の中国語とは異なることがよくあります。機械翻訳の出力は、不自然に教科書的になったり、逆にくだけすぎたりします。これはフォントではなく、レビューで解決すべき問題です。
クロール可能なURL、hreflang、インデックス登録
Googleは、Cookieやブラウザーの言語だけに頼るのではなく、言語版・地域版ごとにクロール可能な別々のURLを用意することを推奨しています。Googleは主に画面に表示されるコンテンツからページの言語を判定するため、本文が英語でナビゲーションだけが翻訳されているページは、中国語版として不十分です。簡体字中国語には専用のフォルダーまたはホストのパターン(/zh/、/zh-cn/、または明示的なzh-Hansのパス設計)を設け、テンプレート、アクセス解析、内部リンクのすべてで統一してください。
hreflangの指定は、代替ページとして宣言した一連のページ間で相互に設定する必要があります。簡体字版と並んで繁体字版を用意した時点で、これが重要になります。曖昧なzhタグを使うと、誤った代替ページへ誘導する原因になります。重複ページがある場合、各ロケールのURLには、同じ言語の優先URLを示す明確なcanonicalを設定する必要があります。簡体字のページの正規URLを、対応する英語ページに指定してはいけません。
Bing Webmaster Guidelinesは、各市場でクロール可能で有用なコンテンツと、明確なサイト構造を重視しています。共通の基盤を構築し、GoogleとBingの両方を運用対象にしている場合は、Google Search ConsoleとBing Webmaster Toolsで状況を確認しましょう。Googleは、推定した言語や所在地に基づく自動リダイレクトを推奨していません。代わりに、簡体字版のURLへリンクする、見つけやすい言語選択メニューを用意してください。IPアドレスから推測して「中国 → /zh」と振り分けると、旅行者、VPN利用者、クローラーを誤った誘導先に閉じ込めてしまいます。
ピンインだけのページは、中国語コンテンツの代わりにはなりません。ブランド表記にラテン文字の代替が必要なら、ブランド表記として使うにとどめ、ページ全体をそれで置き換えないでください。
対象言語でのオンボーディング、信頼構築、購入手続き
簡体字中国語では、信頼性を支えるページが、翻訳された機能一覧以上に重要な役割を果たします。中国本土の購入者に販売するサイトには通常、プライバシーポリシー、利用規約、そして該当する場合は支払いやアフターサービスの案内が必要です。英語テンプレートの名残ではなく、きちんと整備されたページとして読めるものでなければなりません。これは検索順位のための施策ではなく、購入手続きを信頼できるか判断する際にユーザーが確認する情報です。これらのページも主要なローカライズ対象として扱い、法律に関わる表現は適切な専門知識を持つレビュアーに責任を持って確認してもらいましょう。翻訳メモリの中で場当たり的に作成してはいけません。
簡体字中国語版のコンバージョンに関する実践的なチェック項目:
- ホームページ、広告、製品UIで文体(フォーマルかカジュアルか)が統一されている。
- フォームの氏名・住所欄が中国語の文字を受け付ける。または、ラテン文字での入力が必要な理由を説明している。
- Cookieや同意に関する文言を、実際のバナー上でレビューしている。これらは長くなりやすく、不自然な位置で折り返されがちです。
- 価格表示、請求書、通貨に関する表記が、対象として掲げる市場に合っている。
- サポート用の定型文とトランザクションメールの文体が、製品の文体に合っている。
- エラーメッセージでは、丁寧でも中身のない謝罪ではなく、解決方法を示します。
- 比較表や機能一覧表を人がレビューしている。情報密度の高い文字と列見出しの組み合わせは、レイアウトの崩れを招きやすい。
公開初日からすべてのブログ記事を揃える必要はありません。ただし、ホームページと製品説明、認証、料金、購入手続き・請求、プライバシーに関する基本情報、サポート窓口、そして対象市場で求められる法的情報のページは必要です。過去の記事は、後からMTPEで対応できます。
「中国語圏の購入者は英語で使ってくれる」という思い込みは、半分しか正しくありません。英語のドキュメントを読む人もいます。しかし、英語での購入手続きや請求、サポート対応では途中で離脱する人も少なくなく、売上の機会を逃すことになります。特に、テクノロジーのアーリーアダプター向けのニッチ市場以外では、その影響を無視できません。
フランス語のAI翻訳、MTPE、人によるレビュー
ツールのブランド名ではなく、リスクに応じてワークフローを選びましょう。
- 未編集の機械翻訳:使えるのは社内向けの下書きまでです。使用する字体、文体のぶれ、UI内の文字密度といった問題は、モデルの出力が「完成」しているように見えても、不自然さが残りやすい部分です。
- MTPE(機械翻訳+ポストエディット):用語集、文体、簡体字・繁体字のチェック体制が整っていれば、多くの製品ページやサポートページで標準の手法として採用できる、堅実な選択肢です。
- 人による翻訳/ブランド観点での編集:ホームページ、料金、キャンペーン、Cookie・同意に関するページ、法的事項に関わるあらゆるページに適しています。
簡体字中国語向けの実践的なレビューサイクル:
- 字体と文体を固定し、用語集に沿ってMTPEで原稿を作成する。
- ブランド担当の編集者がホームページ、料金ページ、主要なランディングページを確認する。
- 製品ローカライズの言語担当者が、エラー表示、請求、動的UIを確認する。特に、行数制限による省略表示とボタンを重点的に確認する。
- 原文と訳文を並べた文字列レビューだけでなく、ステージング環境でモバイル画面幅の簡体字中国語表示をQAする。
- 繁体字(
zh-TW/zh-HK)は、実際にその市場へサービスを提供する場合にのみ、ネイティブによる確認を行う。
ユーザーを第一に考えた有用なコンテンツが求められるのは、どの言語でも同じです。機械翻訳だけで作られた低品質な中国語ページは、CMS上では完成しているように見えても、ユーザーのニーズや検索の品質基準を満たしていないことがあります。
中国語(簡体字)特有のSEOの落とし穴
中国語圏のユーザーは、漢字で書かれた中国語の検索クエリを使います。英語の主要キーワードを逐語訳したり、ピンインのみのURLで上位表示を狙ったりしても、実際の検索行動には対応できません。簡体字中国語でキーワード調査を行い、中国語の検索結果に自然になじむタイトルとH1を作成しましょう。英語のメタデータの名詞だけを置き換えたような表現は避けてください。
簡体字中国語のURLごとに、タイトル、メタディスクリプション、見出しをローカライズしましょう。単一の英語メタデータを複数のロケールで使い回さないでください。
簡体字中国語のページで特に悪影響を及ぼすミス:
- 共通部分だけを翻訳する — ナビゲーションなどのUIは中国語でも、本文は英語のまま。
- 字体が混在している — 1つのロケールファイルに簡体字と繁体字が混在している。
- 本番環境のフォント、メール、PDFでのグリフの欠落。
- Cookieだけに依存した言語切り替えにより、クローラーが中国語URLを見つけられない。
- hreflangの設定不備(相互参照リンクがない、または汎用の
zhが繁体字と競合している)。 - 地域に応じた自動リダイレクトによって、ユーザーやボットが別の地域版にアクセスできなくなる。
- ピンインのみのページを中国語版として扱っている。
- 機械翻訳だけで内容の薄い言語版を作り、有用なコンテンツとしての基準を満たせない。
繁体字中国語に展開する前に、字体、レイアウト、サイト構造の問題を解消しましょう。ツールの役割はプロセスを確実に守れるようにすることであり、根拠のない検索順位の保証を生み出すことではありません。
公開前のチェックリスト
簡体字中国語版を公開する準備ができたら、次のチェックリストを使ってください。
GlotEOが担う役割
簡体字中国語は翻訳メモリと非常に相性のよい言語です。製品関連の名詞やUIの動詞は繰り返し使われ、誤って繁体字に切り替わることがあってはなりません。ウェブサイトローカライズプラットフォームの用語集と翻訳メモリを使えば、字体、文体、機能名の一貫性を保ちながら、レイアウト検証済みの文言を公開できます。さらに多言語SEOツールを組み合わせれば、展開を広げても中国語URL、hreflang、メタデータを確認しやすい状態に保てます。初回の簡体字版リリースの範囲を検討する際は、GlotEOの料金とプランを比較してください。まだ対応言語を選んでいる段階なら、より広い視点でウェブサイト翻訳のワークフローから検討を始めることもできます。