ウェブサイトの韓国語翻訳:敬語とマイクロコピー
敬語の使い方、ハングルのマイクロコピーの品質チェック、現地の言語に即したキーワード調査から考える、ウェブサイトの韓国語ローカライズ。

依頼書に「ウェブサイトを韓国語に翻訳する」とあっても、まずハングルをフォントの問題として捉えるのはやめましょう。ウェブ上の韓国語で重要なのは、敬語の使い分けです。洗練されたダッシュボードでも、同じ購入手続きの中でくだけた반말(パンマル)と堅い합니다체(ハムニダ体)が混在していれば、多言語対応ができているというより、配慮が足りない印象を与えます。
この記事は、ウェブサイトの韓国語(ko)版を公開するためのガイドです。ロケールの選択、ハングルのタイポグラフィ、クロール可能なURL、購入手続きの品質検証、MTPEと人によるレビューの使い分け、SEOの落とし穴、実際に使えるチェックリストを取り上げます。
ウェブサイトの韓国語翻訳では、文字列の置き換え以外に何が必要?
CMSの各項目を翻訳するだけでは不十分です。製品UI、チャット、メールで一貫した文体を使うための方針、小さなキャプションでもハングルの音節ブロックを読みやすく表示できるフォント、ネイティブのレビュアーが文脈の中で確認できる助詞や分かち書き、韓国の慣習に合った氏名・電話番号欄が必要です。さらに、英語の本文を翻訳済みのメニューで囲んだだけではなく、本文も実際に韓国語になっている専用URLが求められます。
このガイドでわかること
- ウェブサイトの韓国語翻訳では、文字列の置き換え以外に何が必要?
- 韓国語のロケールや地域別バリエーションは、どれを選ぶべき?
- 韓国語特有の文字、タイポグラフィ、レイアウトの課題とは?
- 韓国語版サイトのURL、hreflang、インデックス登録はどう設計すべき?
- 韓国語のオンボーディングや購入手続きで注意すべき点は?
- 韓国語にはAI翻訳、MTPE、人によるレビューのどれを使うべき?
- 韓国語ページで特に悪影響を及ぼすSEOのミスとは?
- 韓国語版ウェブサイトを公開し、成果を測定するには?
要点:ウェブサイトを適切に韓国語化する方法
公開後も安定して運用できる韓国語版を作るには、次の点が重要です。
- 作業ファイルを開く前に、敬語と文体の方針を確定しましょう。製品、取引関連メール、アプリ内チャットは同じ姿勢でユーザーに接する必要があります。例外を設ける場合は、その限られた箇所を明文化します。
ko(多くの場合はko-KR)は、Cookieだけで切り替えるのではなく、クロール可能な独立したURLで公開します。- ナビゲーション、カード、購入手続き、メールを実際のハングルの文面で試作し、音節ブロックの欠け、助詞の窮屈な表示、はみ出しを公開前に見つけましょう。
- ユーザーが実際に入力する表現で検索クエリを調査しましょう。韓国語の言い回しは英語と一対一では対応しません。そのうえで、ページのタイトルを自然な韓国語で作成します。
- 規模を拡大する前に、相互参照するhreflang、同じ言語のURLを指定するcanonical、サイトマップを設定しましょう。
- 製品に関する名詞と文体のルールを用語集にまとめ、MTPEの過程でユーザー導線の途中から해요체(ヘヨ体)が합니다체(ハムニダ体)にいつの間にか変わることを防ぎましょう。
CSA Researchが29か国の消費者8,709人を対象に実施した調査では、76%が母語の情報を見て購入することを好み、40%が他の言語のウェブサイトからは決して購入しないと回答しました。英語も読める韓国語話者がいるとしても、この傾向は変わりません。購入手続き、請求書、サポートが英語だけだと、そこで購入機会を失います。Googleの有用なコンテンツに関するガイダンスは、ユーザーを第一に考えたページを重視しています。英語の本文を韓国語のナビゲーションで囲んだだけでは、ローカライズとして不十分です。市場と言語、それぞれを軸にした戦略の違いについては、国際SEOと多言語SEOの違いをご覧ください。
適切な韓国語ロケールを選ぶ
最初の販売対象市場が韓国であれば、多くのチームでは韓国向けのko-KR URLでkoを公開するのがよいでしょう。初回リリースとして妥当な選択です。ただし、北米の韓国系コミュニティの俗語、過度に文学的な韓国語の書き言葉、チャット表現を1つのファイルに混在させて「韓国語ロケール」と呼んでよいわけではありません。
韓国語は1つの言語ですが、よく知られた複数の待遇表現・文体があります。初日から1つのkoメッセージファイルを使うように設計することはできます。ただし、B2B向けの합니다체(ハムニダ体)の用語集が、丁寧な해요체(ヘヨ体)を使いたい消費者向けモバイル購入画面にも、そのまま適していると考えてはいけません。依頼書には対象ユーザーと敬語の方針を明記しましょう。かしこまった書き言葉のUIにするのか、日常的な語り口にするのか、サポートチャットは法務ページより親しみやすくしてよいのか、といった点です。
海外にも韓国語の読者はいますが、通貨、住所形式、法務ページは販売先市場に合わせる必要があります。まだ契約書をローカライズしない段階なら、最初の公開ではkoファイル1つで対応するのが適切な場合もあります。ただし、英語交じりの韓国系コミュニティの文章を、韓国向けストアの基準にはしないでください。
氏名、住所、電話番号の扱いも決めておきましょう。韓国の氏名は通常、姓が先です。欧米式の名・姓の順序を強制するフォーム、氏名欄にハングルを入力できないフォーム、米国式の10桁の電話番号を前提とするフォームは、文面が「翻訳済み」に見えても使い物になりません。韓国の携帯電話番号は一般に010で始まり、住所も米国のフォームとは異なる項目順が求められます。こうしたルールは翻訳者向けの脚注ではなく、ロケールコードと並べて文書化しましょう。
韓国語の文字、タイポグラフィ、レイアウトの注意点
韓国語ではハングルを使います。UI、メール、PDFのいずれでも、音節ブロックを鮮明に表示する必要があります。ラテン文字しか検証していないフォントスタックでは、16pxでは問題なく見えても、バッジ、表のセル、12pxの補足テキストでは表示が崩れ、받침(パッチム)や母音がつぶれて判読しにくくなります。キャプションや情報量の多い設定画面は、デザイナーのPC上の代替フォントではなく、本番用フォントで試作しましょう。
分かち書きも意味の一部です。韓国語は英語のように単語ごとにスペースを入れるわけではありませんが、助詞(은/는、이/가、을/를、에/에서)の選び方によって、文のどこに焦点が当たるかが変わります。機械翻訳がスペースを落としたり、助詞を別の名詞につなげたり、主題を示す助詞を誤って選んだりすると、特に不自然に感じられます。ネイティブの読者は、その理由を説明する前に違和感を覚えます。レビュアーに必要なのは、文脈から切り離された語幹だけの表ではなく、文字列IDとスクリーンショットです。
公開直後に不具合のスクリーンショットが出回らないためのレイアウトルール:
- 設定項目や法務関連の文言に含まれる長い複合名詞も含め、実際の韓国語の文面で主要画面を試作しましょう。
- 音節ブロックの上下に余裕ができるよう、行の高さを確認しましょう。同じpxサイズでも、ハングルはラテン文字より詰まって見えます。
- ボタン内の改行を許容しましょう。英語のCTAと同じように1行に収めるために、ハングルを小さくしてはいけません。
- UI、メール、PDFには、ハングルを網羅した本番用フォントを使用しましょう。中国語の製品名が混在する場合は、CJKの句読点にも対応させます。
- カードのタイトル、バッジ、表の見出しに注意しましょう。音節ブロックの欠けが最初に現れやすい箇所です。
日付や数値もレイアウト設計の前提に含まれます。韓国では多くの公的な場面で年・月・日の順序が一般的で、日付の区切りには市場の慣習に合ったピリオドやハイフンが使われます。実際に韓国で販売する場合は、KRWの通貨表記も必要です。韓国語のリストを英語のASCIIと同じように並べ替えるだけでは、適切な照合順序を定めたことにはなりません。
支払いに関する明確さを守りつつ、ホームページでは英語の翻訳調ではない自然な韓国語を十分に表現できるよう、レビュアーを育成しましょう。
クロール可能なURL、hreflang、インデックス登録
Googleは、Cookieやブラウザの言語設定だけに頼るのではなく、言語版・地域版ごとに異なるクロール可能なURLを用意することを推奨しています。Googleは主に画面に表示されるコンテンツからページの言語を判断するため、英語の本文を翻訳済みのナビゲーションで囲むだけでは、韓国語版として不十分です。韓国語専用のフォルダまたはホストのパターン(/ko/、/ko-kr/)を設け、テンプレート、アクセス解析、内部リンク全体で統一しましょう。
hreflangアノテーションは、指定した代替ページの集合内で相互に参照し合う必要があります。各ロケールのURLには明確なcanonicalを設定し、重複ページがある場合は、同じ言語の優先URLを指定しましょう。韓国語ページのcanonicalを、対応する英語ページに向けてはいけません。
Bing Webmaster Guidelinesは、どの市場でも、クロール可能で有用なコンテンツと明確なサイト構造を重視しています。共通基盤を一度構築したうえで、両方の検索エンジンを対象とする市場ではGoogle Search ConsoleとBing Webmaster Toolsを監視しましょう。Googleは、推測した言語や所在地に基づく自動リダイレクトを避けるよう勧めています。代わりに、韓国語URLにリンクする、見つけやすい切り替え機能を用意してください。IPアドレスから「韓国 → /ko」と推測する方式は、旅行者、VPN利用者、クローラーを意図しない転送に巻き込みます。
URLとページ内コンテンツの方針は、同じでなくてもかまいません。運用上の理由でスラッグにラテン文字を使うことはできますが、タイトル、H1、本文は韓国語にすべきです。ローマ字表記の韓国語タイトルとハングルの本文を混在させたり、canonicalを設定せずに競合する2つの韓国語URLを公開したりすると、読者にもインデックス登録にも悪影響を及ぼします。スラッグを統合する場合は、一貫したリダイレクトを設定しましょう。
対象言語でのオンボーディング、信頼構築、購入手続き
韓国語の信頼性に関わるページは、翻訳された機能一覧以上に重要な役割を果たします。韓国向けに販売するサイトでは通常、プライバシーポリシー、利用規約、必要に応じて支払いやアフターサービスの説明を、英語のテンプレートを残したようなものではなく、きちんと読めるページとして用意する必要があります。これは検索順位のための施策ではありません。ユーザーが安心して購入手続きを進められるかを判断する際に確認する情報です。こうしたページも、主要なローカライズ対象として扱いましょう。
敬語の一貫性は、コンバージョンに関わる問題です。ホームページは丁寧な해요체(ヘヨ体)、請求書は합니다체(ハムニダ体)、チャットボットはくだけた반말(パンマル)では、ユーザーは「柔軟なブランド」ではなく、「3つの業者が寄せ集めで作った製品」だと感じます。方針を確定したうえで、メール、SMS、アプリ内チャットがそれに沿っているかを確認しましょう。
韓国語版のコンバージョンに向けた実践的なチェック項目:
- ホームページ、広告、製品UIで同じ文体を使っている。
- 氏名・住所欄にハングルを入力できる。または、ラテン文字での入力が必要な理由を説明している(パスポート表記の氏名、海外配送など)。
- 姓を先に表示する形式が、ユーザー情報の保存方法や呼びかけ方と一致している。
- 電話番号欄が韓国の携帯電話番号形式に対応しており、国番号の処理で先頭の0を誤って削除しない。
- Cookieや同意に関する文言を、実際のバナー上で確認している。これらは長くなりやすく、ハングルでは不適切な位置で折り返されやすい。
- 価格表示、請求書、通貨に関する表記が、対象として掲げる市場に合っている。
- サポートの定型文と取引関連メールで、製品と同じ敬語を使っている。
- エラーメッセージは、次の行動が分からなくなる曖昧で丁寧な謝罪ではなく、解決方法を明示している。
公開初日からすべてのブログ記事をそろえる必要はありません。ただし、ホームページと製品説明、認証、料金、購入手続き・請求、プライバシーに関する基本情報、サポート窓口、そして対象市場で求められる法務関連ページは必要です。
フランス語のAI翻訳、MTPE、人によるレビュー
韓国語にはAI翻訳、MTPE、人によるレビューのどれを使うべきでしょうか。ツールのブランドではなく、リスクに応じてワークフローを選びましょう。
- 機械翻訳の出力をそのまま使用:社内向けの下書きにとどめましょう。翻訳モデルは文体の丁寧さを不統一にしたり、助詞を落としたりするほか、消費者向けの画面に教科書調の韓国語を出力することがあります。
- MTPE(機械翻訳+ポストエディット):用語集で製品関連の名詞だけでなく敬語表現も統一できていれば、多くの製品ページやサポートページで標準的な選択肢となります。
- 人による翻訳/ブランド観点での編集:ホームページ、料金、キャンペーン、Cookie・同意に関するページ、法的事項に関わるあらゆるページに適しています。
韓国語向けの実践的なレビュープロセス:
- 用語集に沿ってMTPEで下書きを作成する(文体の丁寧さと製品関連の名詞を統一)。
- ブランド担当の編集者がホームページ、料金ページ、主要なランディングページを確認する。
- 製品担当の言語専門家がエラーメッセージ、請求関連の表示、動的UIを確認する。特に助詞、分かち書き、ボタンの文言を重点的に見る。
- ステージング環境で、モバイルの画面幅に合わせて韓国語のQAを実施する。メールやPDFでのハングル表示も確認する。
koのURLで、敬語の不統一や本文に不自然に多く含まれる英語を検出する公開前チェックを追加する。
ユーザーを第一に考えた有用なコンテンツという要件は、どの言語にも当てはまります。機械翻訳だけで作成した低品質な韓国語ページは、CMS上では完成しているように見えても、ユーザーの期待や検索エンジンの品質基準を満たさないことがあります。助詞の誤りはすぐに目につきます。データがない状態の画面やエラーメッセージは、必ずネイティブチェックを経てから公開しましょう。
韓国語特有のSEOの落とし穴
韓国語で検索する人が求めているのは、自分が読める言葉です。英語の主要キーワードを一語ずつ訳すだけでは、実際の検索行動を捉えられません。韓国語のキーワード調査を行い、英語のメタデータを直訳するのではなく、韓国語の検索結果に自然になじむタイトルやH1を作成しましょう。
韓国語のURLごとに、タイトル、メタディスクリプション、見出しをローカライズしましょう。同じ英語のメタデータ一式を複数のロケールで使い回してはいけません。
韓国語ページで特に悪影響を及ぼすミス:
- 製品、メール、チャット間での敬語表現の不統一。
- 共通部分だけの翻訳 — 画面の共通UIは韓国語でも、本文は英語のまま。
- 本番環境のフォント、メール、PDFで、小さく表示すると判読できないハングル。
- 「正しい」はずの文言に違和感を生む助詞や分かち書きの誤り。
- 韓国語のURLをクローラーから見えなくする、Cookieのみに依存した言語切り替え。
- 不備のあるhreflang(相互参照リンクの欠落)。
- 地域に応じた自動リダイレクトによって、ユーザーやボットが別の地域版にアクセスできなくなる。
- 機械翻訳だけで内容の薄い言語版を作り、有用なコンテンツとしての基準を満たせない。
- ネイティブが検索に使う表現を無視した、英語直訳のタイトル。
コンテンツ量を増やす前に、敬語、フォント、サイト構造を整えましょう。ツールの役割はプロセスを確実に実行することであり、根拠なく検索順位の向上を約束することではありません。
公開前のチェックリスト
韓国語版を公開する準備ができたら、次のチェックリストを活用してください。
GlotEOが担う役割
韓国語は翻訳メモリの活用に適しています。製品関連の名詞は繰り返し登場し、次に英語の更新原稿が届いても、文体の丁寧さを変えてはいけません。Webサイトローカライズプラットフォームの用語集と翻訳メモリを使えば、敬語、助詞、機能名の一貫性を保ちながら、レイアウト検証済みの文言を公開できます。さらに多言語SEOツールを組み合わせることで、展開を拡大しても韓国語URL、hreflang、メタデータを確認しやすい状態に保てます。初回のkoリリースの範囲を決める際は、GlotEOの料金とプランを比較してください。まだ対応言語を選んでいる段階なら、より広い視点でWebサイト翻訳のワークフローを検討するところから始めましょう。
JSON辞書や機械翻訳であることが明示されていない下訳では、koを安心して公開できなくなったら、GlotEOのウェブサイトローカライズをご検討ください。
参考文献
- この記事で紹介した指針の根拠資料(Bingウェブマスターガイドライン)
- この記事で紹介した指針の根拠資料(読めなければ買わない ― B2C:消費者は自分の言語を好む)
- 本記事で紹介している、同一言語の正規URLに関する指針の根拠資料(rel=canonicalなどの方法で正規URLを指定する方法)
- この記事で紹介した指針の根拠資料(有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成)
- 本記事で紹介している、hreflangの相互参照に関する指針の根拠資料(ページのローカライズ版についてGoogleに知らせる)
- 本記事で紹介している、クロール可能な言語別バージョンに関する指針の根拠資料(多地域・多言語サイトの管理)