ウェブサイトのタイ語翻訳:改行とタイポグラフィ

タイ語のウェブサイトローカライズ:単語の区切りがない文章の改行処理、声調記号の表示寸法、タイ語(th)のSEO。

ウェブサイトのタイ語翻訳:白いグリッド上で、スペースのないタイ文字の帯が /th のチップ付きのウィンドウを通り抜ける図

依頼書に「ウェブサイトをタイ語に翻訳する」とあっても、ラテン文字向けのテーマで文字列を差し替えるだけと考えてはいけません。ウェブ上のタイ語では、改行処理とタイポグラフィが課題になります。単語間にスペースがなく、声調記号は子音の上下に配置されるため、英語と同じ方法でテキストを切り詰めると、音節の途中で分断され、見た目が大きく崩れてしまいます。

この記事は、ウェブサイトのタイ語(th)版を公開するためのガイドです。ロケールの選定、文字と折り返し、クロール可能なURL、購入手続きの品質保証、MTPEと人手レビューの比較、SEOの落とし穴、実際に使えるチェックリストを取り上げます。

ウェブサイトをタイ語に翻訳するには、文字列の差し替え以外に何が必要ですか?

CMSの各フィールドを翻訳するだけでは不十分です。単語の境界を認識してタイ語を折り返す処理、声調記号や母音の字形に十分な余白を確保できるフォントと行高、顧客向け文面の丁寧表現に使う助詞の方針、英語由来の技術用語の用語集、本文が実際にタイ文字で書かれたクロール可能な th URLが必要です。キーワード調査もタイ語で行う必要があり、ラテン文字への音写をタイ語SEO戦略の代わりにしてはいけません。

このガイドでわかること

  • ウェブサイトをタイ語に翻訳するには、文字列の差し替え以外に何が必要ですか?
  • タイ語のロケールや地域変種はどれを選ぶべきですか?
  • タイ語特有の文字、タイポグラフィ、レイアウトの課題には何がありますか?
  • タイ語版サイトのURL、hreflang、インデックス登録はどう設計すべきですか?
  • タイ語のオンボーディングや購入手続きでは、どのような点に注意すべきですか?
  • タイ語にはAI翻訳、MTPE、人手レビューのどれを使うべきですか?
  • タイ語ページに特に悪影響を与えるSEOの間違いは何ですか?
  • タイ語版ウェブサイトを公開し、効果を測定するにはどうすればよいですか?

要点:ウェブサイトを適切にタイ語化する方法

長期的に運用できるタイ語版を公開するためのポイントは、次のとおりです。

  1. 改行処理を製品の機能として扱いましょう。ラテン文字を前提としたCSSによって文字のまとまりの途中で折り返されたり、まったく折り返されなかったりするのは、CSSの些細な問題ではなく、品質上の欠陥です。
  2. th(多くの場合はth-TH)は、Cookieだけで切り替えるのではなく、クロール可能な独立したURLで公開します。
  3. ヒーローセクション、料金カード、表、メールは、実際のタイ語の文面を使って試作しましょう。ヘルプセンターの翻訳に着手する前に、声調記号の見切れや不自然な折り返しを発見できます。
  4. 英語で行うように、単純な文字数でテキストを切り詰めてはいけません。タイ語では予測できない位置で分断されてしまいます。
  5. タイ文字による検索クエリを調査し、タイトルやH1もローマ字表記だけでなくタイ文字で作成しましょう。
  6. 規模を拡大する前に、相互参照するhreflang、同じ言語のURLを指定するcanonical、サイトマップを設定しましょう。

CSA Researchが29か国の消費者8,709人を対象に実施した調査では、76%が母語の情報を見て購入することを好み、40%は他の言語のウェブサイトでは決して購入しないと回答しました。タイ語話者の一部が英語も読めるとしても、この傾向は変わりません。購入手続き、請求書、サポートといった場面で、英語だけの顧客体験は販売機会を逃します。Googleの有用なコンテンツに関するガイダンスは、ユーザーを第一に考えたページを重視しています。本文が英語のままでナビゲーションだけがタイ語では、ローカライズとして不十分です。市場別戦略と言語別戦略の違いについては、国際SEOと多言語SEOの違いをご覧ください。

適切なタイ語ロケールを選ぶ

最初の販売市場がタイであれば、ほとんどのチームにとって、タイ市場向けの th-TH URLで th を公開するのが適切です。初回リリースとしては妥当な選択です。ただし、王室向けのような極めて格式の高い助詞表現、チャット向けのくだけた助詞表現、未翻訳の英語UIを1つのファイルに混在させ、それを「タイ語ロケール」と呼んでよいわけではありません。

ウェブサイトのタイ語では、ほとんどの製品UIで共通の書き言葉の標準が使われます。話し言葉には地域差がありますが、最初に決めるべきなのは文体の丁寧さです。顧客向けの製品やサポートにふさわしい丁寧な助詞を選び、役所的すぎる表現や馴れ馴れしすぎる口調は避けましょう。作業ファイルを開く前に、対象読者と助詞の使用方針を依頼書に明記してください。

海外在住のタイ語読者もいますが、バーツの表記、住所形式、法的文書のページは、販売先の市場に合わせる必要があります。タイ向けのオンラインストアでは、観光客向けにローマ字表記されたタイ語や、バンコクの二言語環境のオフィスで使われる英語を基準にしてはいけません。

氏名、住所、電話番号の扱いも決めておきましょう。タイ文字を受け付けないフォームや、氏名をASCII文字だけに制限するフォームは、表示上の文言が「翻訳済み」でも問題を引き起こします。どのフィールドでタイ文字の入力を受け付ける必要があるかを文書化してください。

テクノロジー分野では英語由来の借用語が頻繁に登場します。英語の機能名をそのまま使うのか、タイ文字に音写するのか、タイ語の訳語を使うのかを用語集で定めましょう。そうしないと、同じボタン名に3通りの表記が各ベンダーの訳文で混在することになります。

タイ文字、タイポグラフィ、レイアウトの注意点

タイ語では単語の間にスペースを入れません。単語の境界はスペース文字ではなく、言語的な区切りによって決まります。この事実だけで、改行処理、テキストの切り詰め、検索結果のハイライト、見出しのデザインのあり方が変わります。

声調記号と母音の字形は、子音の上下に配置されます。line-height が詰まりすぎていると、これらが見切れてしまいます。英語でしか検証していないフォントスタックでは、フォールバック先のフォントによって、小さい文字サイズで記号が重なったり消えたりすることがあります。

公開直後に不具合のスクリーンショットが出回らないためのレイアウトルール:

  • タイ語に対応した改行処理を採用しましょう。ラテン文字を前提としたCSSでは、音節を構成する文字のまとまりの途中で不自然に折り返されたり、まったく折り返されなかったりすることがよくあります。
  • 主要な画面は実際のタイ語の文面で試作しましょう。特に重要なのは、マーケティング用のヒーローセクション、料金カード、比較表、サポートの定型文です。これらはデザインへの依存度が高いテンプレートで、折り返しの問題が最も起きやすい箇所です。
  • 記号の上下に余裕を持たせるため、ラテン文字向けのテーマよりも行高を広げましょう。
  • ボタン内のテキストは折り返せるようにしましょう。英語のCTAと同じ1行に収めるために文字を小さくしてはいけません。
  • UI、メール、PDFの本番環境には、タイ文字をカバーするフォントを導入しましょう。
  • 英語向けに設計された単純な文字数による切り詰めは、絶対に行わないでください。N文字目で省略記号を入れると単語の途中で切れてしまい、スペースがないため、そこで切られたことも分かりません。
  • 見出しのストレステスト:英語のH1のうち最も長い3つをタイ語に翻訳し、本番環境のヒーローセクションに配置します。記号が見切れたり、きれいに折り返されなかったりする場合は、ヘルプセンターの翻訳を始める前にデザインシステムを修正しましょう。

日付と数値もレイアウトの要件に含まれます。タイでは通常、文章中の日付は日・月・年の順で表記されます。公的・法的な文脈では仏暦が使われることもあるため、ページの種類ごとに判断してください。桁区切りは市場に合わせ、実際にタイで販売する場合はバーツの表示形式に対応する必要があります。タイ語のリストを英語のASCIIと同じように並べ替えるだけでは、適切な照合順序の方針とはいえません。

文章の調子も重要です。顧客向けの語り口は、単語リスト以上に丁寧さを表す助詞によって左右されます。英語のCTAはぶっきらぼうになりがちですが、タイ語のマーケティング文面では、堅苦しくならずに温かみを出せます。一方、支払いやエラーに関する文面は、分かりやすく簡潔に保ちましょう。

折り返しの問題が起きやすいため、まずはデザインへの依存度が高いテンプレートからローカライズし、システムがタイ語の見出しに対応できることを確認してから、長文のヘルプコンテンツへと広げましょう。

クロール可能なURL、hreflang、インデックス登録

Googleは、Cookieやブラウザの言語設定だけに頼るのではなく、言語版・地域版ごとにクロール可能な別々のURLを用意することを推奨しています。Googleは主に画面に表示されるコンテンツからページの言語を判断するため、本文が英語のままでナビゲーションだけを翻訳しても、タイ語版としては不十分です。タイ語用のフォルダまたはホストのパターン(/th/、/th-th/)を用意し、テンプレート、アクセス解析、内部リンク全体で一貫させましょう。

hreflangの指定は、代替ページとして宣言するURLのセット内で相互に行う必要があります。各ロケールのURLには明確なcanonicalを設定し、重複がある場合は同じ言語の優先URLを指定しましょう。タイ語ページのcanonicalに、対応する英語ページを指定してはいけません。

Bing Webmaster Guidelinesは、クロール可能で有用なコンテンツと、市場をまたいだ明確なサイト構造を重視しています。Googleは、推測した言語や所在地に基づいてユーザーを自動リダイレクトしないよう勧めています。代わりに、タイ語のURLへリンクする、見つけやすい切り替え機能を用意しましょう。IPアドレスから「タイ → /th」と判断する仕組みは、旅行者、VPN利用者、クローラーを意図しないページに閉じ込めてしまいます。

URLの方針とページ内の表記方針は、必ずしも同じである必要はありません。運用上の理由からスラッグをASCIIのままにしてもかまいませんが、タイトル、H1、本文はタイ文字で記述すべきです。ページをラテン文字への音写で表記しても、タイ語版とはいえません。タイ文字のスラッグをパーセントエンコーディングする場合は、リダイレクトの処理を統一しましょう。canonicalを設定せずに、競合する2つのタイ語URLを公開してはいけません。

タイ文字の検索クエリを調査しましょう。タイ市場に本格的に対応するページ群を作るには、ローマ字表記や英語の主要キーワードだけでは不十分です。これは調査の話であり、検索順位を保証するものではありません。

対象言語でのオンボーディング、信頼構築、購入手続き

タイ語で信頼性を示すページは、機能一覧の翻訳以上に重要な役割を果たします。タイ向けに販売するサイトでは通常、プライバシー、利用規約、必要に応じて支払いやアフターサービスに関する文面を、英語のテンプレートを残したものではなく、きちんとしたタイ語のページとして読める形にする必要があります。これは検索順位のための施策ではありません。ユーザーが購入手続きの信頼性を判断するときに確認する情報です。これらのページも、主要なローカライズ対象として扱いましょう。

タイ語版のコンバージョンに向けた実践的な確認項目:

  • ホームページ、広告、製品UIで、助詞の丁寧さが統一されている。
  • フォームで氏名や住所のタイ文字入力を受け付けるか、ラテン文字での入力が必要な理由を説明している。
  • Cookieや同意に関する文言を、実際のバナー上でレビューしている。これらは長くなりやすく、タイ語に対応した改行処理がないと折り返しが崩れる。
  • 料金表示、請求書、バーツに関する表現が、対応を掲げる市場に合っている。
  • サポートの定型文や取引関連のメールでも、タイ文字と助詞を維持している。「安全なASCII」に限定したメールテンプレートは、ローカライズの抜け漏れになる。
  • エラーメッセージでは、丁寧でも中身のない謝罪ではなく、解決方法を示します。
  • モバイル:ユーザーはキーボードに応じて、タイ文字またはラテン文字で検索したり、一部の項目を入力したりします。両方をQAで確認してください。ただし、ローマ字表記のUIを正式な表現として公開してはいけません。
  • 購入手続きの明細や住所プレビューでは、テキストの省略表示をQAで確認してください。英語では「問題なかった」文字数制限でも、タイ語では表示が崩れます。

公開初日からすべてのブログ記事をそろえる必要はありません。ただし、ホームページと製品説明、認証、料金、購入手続き・請求、プライバシーに関する基本情報、サポート窓口、そして対象市場で求められる法務関連ページは必要です。

フランス語のAI翻訳、MTPE、人によるレビュー

タイ語にはAI翻訳、MTPE、人によるレビューのどれを使うべきでしょうか。ツールのブランドではなく、リスクに応じてワークフローを選びましょう。

  • 未編集の機械翻訳:使えるのは社内向けの下書きまでです。モデルは助詞を誤用したり、フォーマルな文体とくだけた文体を混在させたりします。文法的には正しくても、製品の語り口には合わないタイ語を生成することがあります。
  • MTPE(機械翻訳+ポストエディット):用語集で製品関連の名詞と外来語の使用方針を固定し、さらにネイティブ話者がCATツール上だけでなく実際のUIで折り返しを確認するなら、多くの製品ページやサポートページで有力な標準手法になります。
  • 人による翻訳/ブランド観点での編集:ホームページ、料金、キャンペーン、Cookie・同意に関するページ、法的事項に関わるあらゆるページに適しています。

タイ語の実践的なレビューサイクル:

  1. 用語集に沿ってMTPEで原稿を作成する(助詞と外来語の用法は固定)。
  2. ブランド担当の編集者がホームページ、料金ページ、主要なランディングページを確認する。
  3. 製品の言語担当者がエラー、請求、動的UIを確認する。特にテキストの省略表示とボタン内の折り返しを重点的に確認する。
  4. ステージング環境で、モバイル画面幅のタイ語表示をQAで確認する。メールやPDFのレンダリング、声調記号の見切れも対象に含める。
  5. thのURLで、本文に残った英語やローマ字表記のみのタイ語を検出する公開前チェックを追加する。

機械翻訳だけで作られた低品質なタイ語ページは、CMS上では完成しているように見えても、ユーザーの役に立たず、ユーザー第一の有用なコンテンツとしての期待にも応えられないことがあります。

タイ語特有のSEOの落とし穴

タイ語で検索する人が求めているのは、自分が読める言葉です。英語の主要キーワードを一語ずつ訳したり、ラテン文字による翻字をタイ語タイトルとして検索上位に表示させたりしても、実際の検索行動には合いません。タイ文字でキーワード調査を行い、タイ語の検索結果になじむ自然なタイトルとH1を作成しましょう。

タイ語URLごとにタイトル、メタディスクリプション、見出しをローカライズしてください。すべてのロケールで同じ英語のメタデータを使い回してはいけません。

特にタイ語ページに悪影響を及ぼすミス:

  1. タイトルや本文で、ラテン文字による翻字をタイ語版として扱う。
  2. 定型部分だけを翻訳する。UIの共通部分はタイ語でも、本文は英語のまま。
  3. 本番環境のフォント、メール、PDFで声調記号が見切れる。
  4. 英語基準の文字数で省略することで、スペースを使わないタイ語が不適切な位置で分断される。
  5. Cookieだけに依存した言語切り替えにより、クローラーがタイ語URLを見つけられなくなる。
  6. 不備のあるhreflang(相互参照リンクの欠落)。
  7. 地域に応じた自動リダイレクトによって、ユーザーやボットが別の地域版にアクセスできなくなる。
  8. 機械翻訳だけで内容の薄い言語版を作り、有用なコンテンツとしての基準を満たせない。
  9. 英語由来の外来語を統一せずに使うことで、同じ機能が検索結果とUIで3通りの名前になっている。

コンテンツ量を増やす前に、折り返し、フォント、サイト構造を整えましょう。ツールはプロセスを確実に実行するためのものであり、検索順位について根拠のない約束を生み出すためのものではありません。

公開前のチェックリスト

タイ語版を公開する準備ができたら、次のチェックリストを使ってください。

GlotEOが担う役割

タイ語は翻訳メモリと相性のよい言語です。製品関連の名詞や外来語の表記は繰り返し登場し、次に英語原文が更新されても、表記をぶれさせてはいけません。ウェブサイトローカライズプラットフォームの用語集と翻訳メモリを使えば、助詞、外来語、機能名の一貫性を保ちながら、レイアウト確認済みのコピーを公開できます。多言語SEOツールも併用すれば、規模が拡大しても、タイ語URL、hreflang、メタデータを確認しやすい状態に保てます。初回のthリリースの範囲を決める際には、GlotEOの料金とプランを比較してください。まだ対応言語を選んでいる段階なら、より包括的なウェブサイト翻訳のワークフローから始めることもできます。

ラテン文字を前提とした省略処理や、機械翻訳であることを明示しない下書きではthを安心して公開できなくなったら、GlotEOのウェブサイトローカライズをご検討ください。

参考文献